【最終回】「鎌倉殿の13人」行け!俺たちの泰時… 第48回放送「報いの時」予習:5ページ目
決戦の後で
かくして承久の乱における戦闘は終結。後鳥羽上皇はじめ首謀者に対する処罰が行われました。
【皇族】
- 後鳥羽上皇(第82代)……隠岐島へ配流
- 順徳上皇(後鳥羽上皇の皇子。第84代)……佐渡島へ配流
- 土御門上皇(同。第83代)……土佐国へ自主的に配流
※挙兵には反対=無関係だったので不問に処されたが「父が苦しんでいるのに、自分だけ京都に留まれない」と申し出る。後に阿波国へ遷幸 - 雅成親王(同)……但馬国(兵庫県北部)へ配流
- 頼仁親王(同)……備前国(岡山県東部)へ配流
- 仲恭天皇(順徳上皇の子。第85代)……廃位(九条廃帝と呼ばれ、仲恭天皇の贈諡は明治時代以降)
【公卿】
- 一条信能(いちじょう のぶよし)……処刑
- 葉室光親(はむろ みつちか)……処刑
- 源有雅……処刑
- 葉室宗行(むねゆき)……処刑
- 源範茂……処刑
坊門忠信(ぼうもん ただのぶ)……越後国へ配流(坊門姫の嘆願により処刑を免れる)
など。
【武士】
- 藤原秀康……逃亡先で捕らわれ処刑
- 藤原秀澄(ひでずみ。秀康の弟)……同じく
- 大江親広……逃亡(その後、帰参)
- 五条有範(ごじょう ありのり)………処刑
- 加藤光員(かとう みつかず)……所領没収
- 佐々木広綱(ささき ひろつな)……処刑
など。討死および逃亡した者は除く。
……そして第86代の天皇陛下には茂仁王(とよひとおう)が即位(後堀河天皇)、後鳥羽上皇の甥に当たります。皇統が断絶しなくて何よりです。
以後、鎌倉幕府は京都に六波羅探題を設置し、朝廷を監視下におくようになりました。これで源頼朝(演:大泉洋)が鎌倉に拓いた武士の世が盤石のものとなり、義時は安心して泰時に跡を託せたことでしょう。
終わりに
以上、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のクライマックスである承久の乱をごく駆け足で紹介してきました。
義時の死をもって物語は終わりますが、伊豆の片田舎に住んでいた土豪の子倅が、随分遠くまでやってきたものです。
嫁き遅れだった姉と皮肉っぽい妹、そして愛嬌勝負の弟たちと歩んできた義時は、果たしてどんな最期を迎えるのでしょうか。
次回予告で久しぶりに顔を見せた“りく(演:宮沢りえ。牧の方)”、そして運慶(演:相島一之)に依頼していた邪神z……もとい神仏と一体になった義時像の出来栄えなど、様々な伏線が回収されるであろう最終回。
最期の最後まで、目が離せませんね!
※参考文献:
- 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡8 承久の乱』吉川弘文館、2010年4月
- 三谷幸喜『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 完結編』NHK出版、2022年10月