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「鎌倉殿の13人」政子が救いたかったのは……第46回放送「将軍になった女」振り返り

「鎌倉殿の13人」政子が救いたかったのは……第46回放送「将軍になった女」振り返り

「嫡男は泰時だ」しかし“のえ”は……

いつも喧嘩しながら、どこか認め合っている義時と泰時。そんな関係がじれったくてしょうがない“のえ(演:菊池凛子。伊賀氏)”は、泰時よりもと我が子・北条政村(演:新原泰佑)を後継ぎに推します。

そこまでは解りますが、過去の妻たちを敵(かたき)の血筋と下げるのは悪手でした。確かに八重(演:新垣結衣。阿波局)は伊東祐親(演:浅野和之)の娘、比奈(演:堀田真由。姫の前)は比企能員(演:佐藤二朗)の縁者です。

しかし彼女たちは義時自身が愛していたのに対して、“のえ”は表向きこそ正室(継室)ですが、義時にすれば「権力目当てに近づいてきた妻もどき」に過ぎません。そんな彼女が過去の愛妻たちを批判しても逆効果でしょう。

でもそんな女性に十数年も尽くさせた上、ちゃっかり子供なんてこさえるんじゃないよ(子供が出来たら、家督を継がせたくなるのは当たり前なのだから)と思ってしまうのは、きっと筆者だけではないはず。

※ちなみに、『吾妻鏡』の義村は政村を「鍾愛(しょうあい。寵愛)」しています。何なら本当は、泰時よりも政村に家督を継がせたかったのではないでしょうか。

「私はまだ生きる。そんな話を今すべきではない」

「こういうことは、元気な内にしておいた方がいいんです!」

これについては激しく同意で、いつ急死するとも分からないのですから、泰時なら泰時で後継者にきちんと意思表示(文書に残すなど)しておけばよかったのです。

しなかったから義時の死後、跡目争い(伊賀氏の変)が起きているのですが、なぜ義時は意思を明確にしなかったのでしょうか。もしかしたら、“のえ”のご実家である伊賀一族に遠慮があった(利用したかった)のかも知れませんね。

※逆に史実では、政子ら北条一族に遠慮があった可能性も考えられます。

大河ドラマでは二階堂行政(演:野仲イサオ)が伊賀一族の利権を代表している描写ですが、確か行政は頼朝が亡くなった直後で60~70代(生没年不詳)のはず。この時点でもまだ生きていればもう80~90代。

もういい加減に引退させて、伊賀光季(いが みつすえ。“のえ”の兄弟)辺りに交代させて欲しかったところです。

あと2回の放送で勃発するであろう承久の乱。その前哨戦として壮絶な最期を遂げる伊賀光季に、視聴者が感情移入できるシーンが欲しかったと思います。

5ページ目 ひと月で鎌倉を攻め落とす。自信たっぷりな藤原秀康

 

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