日本三大仇討ちの一つ「曽我兄弟の仇討ち」父の復讐に生きた兄弟の結末は…【鎌倉殿の13人】:3ページ目
終わりに
【曽我兄弟の仇討ち・略年表】
承安2年(1172年) 一萬丸が誕生
承安4年(1174年) 筥王丸が誕生
安元2年(1176年)10月 父・河津祐泰が工藤祐経(義理のおじ)に暗殺される
時期不詳 母が曽我祐信と再婚
治承4年(1180年) 源頼朝が挙兵、勢力が安定すると祐経がその側近に
時期不詳 祐経の密告で兄弟が処刑されかける
時期不詳 一萬丸が元服して曽我十郎祐成に改名
時期不詳 母が仇討ちを諦めさせようと筥王丸を箱根権現へ預けるが、脱走
時期不詳 兄弟が北条時政を頼り、筥王丸が元服して曽我五郎時致に改名
時期不詳 母と絶縁、十郎が虎御前とねんごろに
建久4年(1193年)5月28日 富士の巻狩りに来ていた祐経を暗殺。十郎が討死
同年5月29日 生け捕られた五郎も処刑される
以上が日本三代仇討ちの一つとして名高い「曽我兄弟の仇討ち」の大まかな流れとなります。
父を思う兄弟の心意気は人々に愛され、後世に曽我物(そがもの)と呼ばれる一大ジャンルに発展しました。
歌舞伎や浄瑠璃、浮世絵に狂言、小説にテレビドラマなどなど……虎(頼朝)の威を借る狐(祐経)にたった二人で立ち向かった勇姿が、人々の共感を呼んだのでしょう。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では曽我十郎を田邊和也、曽我五郎を田中俊介が演じるとのこと。三谷幸喜が二人にどのような仇討ちを演じさせるのか、今から楽しみですね!
※参考文献:
- 坂井孝一『曽我物語の史的研究』吉川弘文館、2014年11月
- 坂井孝一『物語の舞台を歩く 曽我物語』山川出版社、2005年2月
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 後編』NHK出版、2022年6月
アイキャッチ画像: 鎌倉殿の13人 公式ページより ©NHK