蝦夷征伐に仏教勢力の排除…ミスター遷都・桓武天皇の生涯と業績を紹介
「ミスター遷都」の桓武天皇
桓武天皇といえば、日本史上、二度にわたって「遷都」を行った天皇として有名です。
今回は、この桓武天皇の生涯と業績を説明します。
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まず特徴的なのは、その政治スタイルです。桓武天皇は「親政」つまり自ら直接政治を行いました。
それだけ言われても「天皇って自分で政治を行わなかったの?」と、ピンと来ないかも知れません。実は、天皇はトップに君臨しても政治には直接関わらず、摂政などに任せることの方が多かったのです。
桓武天皇のように「親政」を行った人は少数派です。
さて、それにしても自ら政治に関与するというのは並大抵のことではなく、それなりの才覚がなければ不可能です。なぜ桓武天皇が「親政」できたのかというと、彼が受けてきた教育に理由がありました。
もともと、彼は天皇になれる血筋ではなく、そのため幼少期には優秀な「官僚」になるための教育を受けています。
ところが770年、父の白壁王が光仁天皇として即位したり、藤原氏を巻き込んだ政争が起きたりした結果、773年に「皇太子」つまりは次期天皇の地位に定められたのです。
そしてその後、781年に桓武天皇として即位できたのですが、結果として優秀な官僚的センスを持ち合わせた天皇が誕生したわけです。