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時代劇は間違いだらけ?~其の二~「お銚子もう一本!」は間違い、湯屋では髪を洗わない…

時代劇は間違いだらけ?~其の二~「お銚子もう一本!」は間違い、湯屋では髪を洗わない…:3ページ目

湯屋では髪を洗わなかった

もし時代劇で描かれる江戸の街で、女性が髪をほどいて湯屋から出てきたとしたらそれは間違いかも。

浮世絵を見ると、湯屋では髷を解かず入浴している様子が描かれています。それは蒸し風呂から湯を張った湯舟に変わったとしても同じです。

ではどこで? 同じように浮世絵を見ると、たらい桶に水を張り髷をといて洗髪している様子が描かれていますね。

そもそも髷を結うのは複雑なため、一度結ったら7~10日間もほどかないことが当たり前でした。ビン付け油でびっしり固めた髪を、解くのも洗うのも半日がかり。長い髪も自然乾燥するしかありませんでした。これでは湯屋では洗う時間などありませんね。

しかも町人にとって内風呂などはありません。そのため体は湯屋で洗い、髪の毛だけ盥で洗うという風景が日常でした。

奉行所に表札はない!

事件が起きて岡っ引きが役人に知らせ、その役人が「南町奉行所」と書かれた門に駆け込む。時代劇でおなじみの光景ですね。取り調べや調査のため「○○藩上屋敷」などと書かれた門札のまえに、門番が二人立っている様子を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかしこれは時代劇だけのことで、説明しなくても視聴者にわかりやすいようにしたもので、当時は門札や表札は出していませんでした。

大名屋敷や役所、旗本屋敷など主要な建物も門札は掲げられておらず、訪ねる場所があるときは『江戸切絵図』という地図を購入して調べなければなりませんでした。

特に旗本屋敷が立ち並ぶ地域は「番町」と呼ばれ、同じような長屋が立ち並んでいて町人泣かせだったようです。

頼まれた魚が道迷いでとどけられなかったことが川柳にも書かれています。
「番町の魚のさがるほど尋ね」『俳風柳多留』
○○に魚を届けてやってくれ、と頼まれたが、場所がわからず魚が腐ってしまうほど長い間道を尋ねたということですね。

参考文献:ビジュアル・ワイド江戸時代館
参考サイト:月桂冠

 

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