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始皇帝の生まれ変わり?神の中の神と讃えられた秦河勝のエピソードを紹介

始皇帝の生まれ変わり?神の中の神と讃えられた秦河勝のエピソードを紹介:2ページ目

カルト宗教「常世神」を根絶

そんな生い立ちからして只者ならざる秦河勝は、皇極天皇3年(644年)にこんな噂を耳にします。

常世神(とこよのかみ)をお祀りすれば、尽きることのない富と永遠の若さが得られる」……とか何とか。

噂の発生源は駿河国不尽河(現:静岡県富士市)辺りの住人・大生部多(おおうべの おお)。

『日本書紀』によると、常世神とは柑橘類や山椒の木によくいる親指くらい(長さ四寸余り≒12~13センチ)の虫で、蚕(かいこ)とよく似た形で緑色をしており、黒い点がある……とのこと。

どう見てもアゲハチョウの幼虫ですが、その気持ち悪さこそが却って霊性のあらわれなのだとか何とか、富と若さを求める人々はこぞってアゲハチョウの幼虫をつかまえては祭壇に祀ったそうです。

ようやるわ、そんなん騙されるヤツいんのか……と思ってしまいますが、いつの世にもカルト宗教にハマってしまう者はいるもので、全財産を差し出して恍惚と踊り狂った挙げ句、路頭に迷う者が続出したと言います。

「善良な人々を騙して、財産を巻き上げるとは許せん!」

義憤に燃えた秦河勝は大生部多をとっ捕まえてボコボコに打ち懲らしめて、手下の巫女たちともども一切の悪行を止めさせたのでした。

3ページ目 神の中の神と呼ばれる

 

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