エピソード多すぎ!源頼朝公の愛刀・髭切(ひげきり)が斬った数々のモノたち
名刀とは言うまでもなく優れた刀であり、刀として優れているからには相応に敵やモノを斬っており、そのエピソードが命名の由来となっていることが多いようです。
今回は、鎌倉幕府を開いた初代将軍・源頼朝(みなもとの よりとも)公の愛刀として知られる髭切(ひげきり)を紹介。
髭切なんて聞くと何だかヒゲ剃りみたいですが、一体どんなエピソードがあるのでしょうか。
(※)髭切については似た名前の刀剣と混同されることがあり、史料によって説明が異なることも多いため、あくまで諸説ある中の一説としてまとめました。
ヒゲごと首が斬れた鋭い切れ味
髭切は平安時代、頼朝公の七代祖先に当たる源満仲(みつなか)が、伯耆国(現:鳥取県西部)の刀工・安綱(やすつな。大原安綱)に作らせたと言います。
さて、鍛え上がった刀の試し斬りに、ちょうど斬罪人(死刑囚)がいたのでその首を斬ったところ、あごにたくわえていた髭までスッパリ切れたことから、その素晴らしい切れ味を伝えるべく「髭切」と命名されたのでした。
こう聞くと「え?ヒゲなんて簡単に切れるでしょ?」と思うかも知れませんが、しっかり固定されておらず、ゆらゆらしているモノを切るのはなかなか大変です。
例えば髪の毛や糸などを垂らして、それをナイフや包丁などで切ろうとしても、なかなか上手く行きません。また、一本二本は何とか切れても、ヒゲのようにまとまっていると、後半は大抵切りそこねてしまうでしょう。