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日本橋、遊郭、長屋…浮世絵で見る、江戸時代を生きる人々のタイムスケジュールはどうなっていた?【午後7時~午後9時頃】:2ページ目
こんな遅くまで遊んでた?
夜暗く星が煌くのが見える頃。明かりを灯す油や蝋燭が貴重なこの時代、普通ならば子供はもう寝ているはず。それなのに子供たちが夜暗くに外出しているということは、近場で縁日でもあったのでしょう。
この絵の中では何かのはずみで屋台が倒れて売物の菓子が散らばってしまったのを、子供たちが拾い食いしています。
これが事実だったのかは、正直なところわかりません。この絵の作者“歌川広景”という人は、このような風刺画というか、ふと笑ってしまうような作品を多く残しています。
ただ、全く何もないところからこの絵は生まれないと思うので、暗くなっても縁日でもあれば、子供たちは楽しくて外出したのでしょうね。
裕福な子供にしか出来ない遊び
ここで描かれている少女が手にしているのは、当時大変高価だった“蝋燭”を使った“手燭”という灯りです。ということはとても裕福な家の子供たち。親の目を盗んで“虫聴き”にでも出かけたのでしょうか。足元には虫かごが置かれています。
江戸時代、武士も庶民も夏が半ば過ぎる頃から、夕方になると虫の声に耳をそばだてました。そして夜になると、茣蓙やお酒などを持参して虫の鳴き声を聴くために“虫聴き”に出かける人は少なくありませんでした。
上掲の浮世絵では、右上には茣蓙の上に車座になって月を眺めながら、お酒など飲みつつ虫の声を楽しむ様子描かれており、左下では虫かごを持った子供が多分母親と思われる女性に何か話しかけている様子が描かれています。
今では無くなってしまったこのような風情のある習慣。当時の日本人がどれほど自然を愛し、自然と共に生きていたのかがわかります。
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