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紅葉に染まる山の「鬼伝説」。妖しく恐ろしくも美しい鬼女・その名は紅葉(もみじ)【後編】

紅葉に染まる山の「鬼伝説」。妖しく恐ろしくも美しい鬼女・その名は紅葉(もみじ)【後編】

今も語り続けられる鬼女伝説

戸隠山に伝わる鬼女伝説は、違うストーリーもあります。また、現在も能や歌舞伎の作品「紅葉狩り」として語り継がれています。

能の『紅葉狩り』

能の『紅葉狩り』は室町時代の作家による作品です。

紅葉が美しい秋の戸隠山。高貴な美女たちが宴を催しているところに出くわした平維茂は、女たちに誘われ酒を振舞われます。

酒と美女の舞に酔い、維茂はいつしかそのまま眠り込んでしまいました。

実はその美女たちは戸隠山の鬼。正体を知った武内の神(八幡大菩薩の眷属)は、維茂の夢に現れ、鬼女であることを告げ神剣を授けます。

目が覚めた維茂の前には、恐ろしい姿の鬼女が。しかしながら、維茂は神剣の力を借り、鬼女退治に成功したのでした。

歌舞伎の『紅葉狩り』

歌舞伎としては新しい演目で、1887年に初上演となりました。

戸隠山へと紅葉狩りにやってきた平維茂は、美しい姫様一行が酒宴の席を設けているところに遭遇します。誘われるままに酒を飲み、美女たちの踊りを楽しむうちに維茂はうたた寝をしてしまいました。

その姿を見て、山奥へと消えていく美女たち。山の神が「鬼女に食われるぞ」と忠告し、平維茂を起こそうとするも全く起きる気配はありません。

そして、夜。美女は恐ろしい鬼女の姿で戻ってきました。驚いた維茂は、名刀「小烏丸」にて退治したのでした。

3ページ目 昔も今も妖しくたくましい鬼女に魅せられる

 

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