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何を数えてるの?イケメンを意味する「二枚目」の語源は歌舞伎の役者看板にあり:2ページ目
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で、普段はなかなか聞かない四枚目も存在しており、中軸(なかじく)と言って座頭(ざがしら。一座の支配人)に次ぐナンバー2の実力派俳優が描かれました。
五枚目から七枚目にかけては敵役(かたきやく)、実敵(じつがたき)、実悪(じつあく)と呼ばれる文字通りの悪役が続きます。
それぞれの違いについて紹介すると、敵役は主人公と敵対するやられ役(必ずしも悪ではない)、実敵は敵でいながら実(じつ。信念や誠実さ、あるいは憎めない要素など)のある役、そして実悪は実に悪どい黒幕的な人物……と言ったところでしょうか。
そして最後の八枚目に座頭(ざがしら)が出てきて一座を〆る、と言った具合です。
終わりに
要するに、二枚目とは歌舞伎一座の看板であり、それぞれに決められた役割を示すものだったようです。
日常会話だと二枚目、三枚目くらいしか使いませんが、
「あの人は、本当に一枚目(書出)なカリスマ性があるね」
「あの野郎、どこまでも七枚目(実悪)だな……」
「口ではあぁ言っているけど、彼は意外と六枚目(実敵)でね。君を思ってのことなんだよ」
なんて言ってみるのも、ちょっと乙かも知れませんね。
※参考文献:
日本語倶楽部 編『語源500 面白すぎる謎解き日本語』河出書房新社、2019年11月
武光誠『歴史から生まれた日常語の由来辞典』東京堂出版、1998年5月
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