3月9日は「絵踏み」が廃止された日。なんと絵踏みはお正月行事で、踏絵には種類もあった:3ページ目
3種類あった踏絵
ここまで絵踏みとその歴史を紹介しましたが、実は踏絵には3種類あることをご存知ですか?
最初に登場したのが紙踏絵。イエス・キリストと十字架が描かれていて、右には「切支丹伴天連ヲ踏マザル者獄門事」の一文が・・・。
「踏絵を踏まないと首を刎ねるぞ」という意味です。
初期の踏絵は紙でしたが、これは耐久性の問題で廃止になりました。確かにすぐにボロボロになりそうですよね。
続いて登場したのが板踏絵。こちらは実際にキリシタンが使用していた十字架や写真のようなメダイを板にはめた物です。「実際に使用していた」というところが、信者には辛い…。踏めない人もきっといたのではないでしょうか。
そして最後に登場したのが真鍮踏絵。こちらは日本人鋳物師が作成した物で、長崎では20枚が製造されました。現在は19枚が現存しており、その一部を東京国立博物館で見ることができます(不定期展示)。
教科書ではさらりと習う絵踏み。紙から板に変わり、最後は真鍮。幕府も試行錯誤しながらキリシタンの取締りを行っていたことがわかりますね。