
伝説で彩られた「元寇」「蒙古襲来」の真相に迫る!神風伝説とフビライの真の意図について解説【後編】:2ページ目
目的はあくまで「国交樹立」
これについて、フビライの国書はよく読むと決して強圧的ではないという説があります。
幕府を怒らせた国書の書き出しにある「上天眷命」という言葉も、実は蒙古では書き出しによく使う定型句でした。
また、「書を日本国王に奉ず」という表現も、読み方によってはフビライのほうが下に出ているとも考えられます。
さらに、国書の最後に使われた「不宣」という結びの言葉は、「臣下として従えというつもりはない」という意味だった可能性もあります。
この流れだと、「兵を用うるに至りては、それたれか好む所ならん」という文も、素直に「武力を使うようなことはやめましょう」と平和的な交渉を望んでいるようにも読めるでしょう。
つまり、フビライは日本に対等な国交関係を求めた可能性が高いのです。
ところが、日本が返書を出さないので、フビライは強大な武力を見せつければ日本は通好すると考えて日本に大軍を送りました。これが1度目の襲来です。
しかし、はなから日本の征服が目的ではなかったため、想定外の大風を機にあっさりと撤退したわけです。
その後、元は1276年に南宋を征服したので、もはや日本と国交を結ぶ必要もなくなりました。
そこで、次に問題になるのは二度目の蒙古襲来の目的です。