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別れても、とだえぬ絆…大河ドラマ「光る君へ」第39回放送(10月13日)振り返り!

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藤原惟規が遺した和歌

【光る君へ】惟規、ついに退場なのか…?まひろ(藤式部)の弟・藤原惟規の”らしさ”あふれる最期がコチラ

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越後国で急逝してしまった惟規。そのエピソードは既にまとめたので、ここでは彼が遺した和歌をいくつか紹介したいと思います。

山がくれ 咲かぬ桜は 思ふらむ
我だにをそき 春のひかりと

※『藤原惟規集』(十八)

【意訳】山奥深くに隠れ、まだ咲いていない桜の木はこう思っているだろう。「私だって、これから咲き誇って春に輝きを添える存在なのだ」と。

第1回放送「約束の月」から、惟規はずっとまひろの引き立て役とばかり、才能のなさや不真面目さを強調されてきました。

劇中では姉と道長のお陰だけで五位にまで昇れたように描かれていますが、実際は相当に努力してきたはずです。

そして「自分だって必ず咲き誇ってみせる」と立てた志を、一首の和歌に込めたのでしょう。

逢坂の 関うちこゆる ほどもなく
今朝は都の 人ぞこひしき

※『藤原惟規集』補遺(一)※『後拾遺和歌集』別、四六六
※父とともに越後へ参る道中、源為善朝臣へ

【意訳】逢坂の関所(滋賀県大津市)にも来ていない=都を出たばかりなのに、もう都のみんなと離れるのが寂しいくてならない。

そんなにいつもみんなと一緒だったのでしょうか。こんな和歌を詠むあたり、惟規は余程のパリピ気質だったのかも知れませんね。

きっと友達からも「お前がいないと寂しいよ」「早く帰って来いよ」「また遊ぼうぜ」などなど、声をかけられていたのではないでしょうか。

いかに惟規が人気者であったかがよく分かります。

都にも 恋ひしき人の 多かれば
なほこのたびは いかむとぞ思ふ

※『藤原惟規集』補遺(三)
※『後拾遺和歌集』恋三、七六四
※越後で重病を患い、斎院の中将(源為理女)へ

こちらは劇中でも触れられた通り、最後の一文字は力尽きてしまい、為時が書き足したのでした。

ちなみに劇中では完全にフラれた扱いとなっていましたが、末期の歌を贈るということは、まだ何かしらのつながりがあったのでしょう。

もちろん惟規が一方的な未練を寄せただけという可能性も否定できませんが、それでも彼女に対する強い意志が感じられます。

辞世となってしまったこの歌は、果たして斎院の中将に届いたのでしょうか。届いていて欲しいですね。

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第40回放送「君を置きて」

次週は一条天皇が崩御し、道長が春宮となるべき敦康親王を押し退けます。

春宮に据えるのは、もちろん自分の孫である敦成親王。かなり強引なやり口でしたが、もはや道長に逆らえる者は誰もいません。

そんな中、ただ一人激怒したのが藤原彰子。自分の実子だけでなく敦康親王も大切にしていた彼女は、父と一条天皇に猛抗議します。

次週の第40回放送「君を置きて」楽しみに見守りましょう!

 

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