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「一揆(いっき)」とは何か?平安時代から江戸時代・近代まで様々な種類があった一揆の歴史をたどる

「一揆(いっき)」とは何か?平安時代から江戸時代・近代まで様々な種類があった一揆の歴史をたどる:4ページ目

明治時代以降の一揆

大政奉還によって徳川幕府が滅亡し、戊辰戦争や明治維新を通じて武士の世が終わりを告げると、不平士族たちの決起が相次ぎました。

従来の学説では「新時代に取り残された旧士族が既得権益を奪還すべく、暴力行使に走った」とされますが、それはごく一部に過ぎません。

彼らの多くは明治政府の堕落に憤り、真に王道楽土の政治を目指す維新のやり直しを志したのでした。

しかし西南戦争によって巨魁・西郷隆盛が倒れると、武力による闘争を断念。

武器を刀から言論にかえてあるべき日本の姿を追求したのでした。これが後世に伝わる自由民権運動です。

また庶民たちも明治政府の搾取と弾圧に抗するべく決起する事例が相次ぎました。

こうした闘争の末に累々と積み上げられた先人たちの亡骸こそ、現代日本の礎に他なりません。

終わりに

以上、平安時代から近代にかけて一揆の歴史をたどってきました。

(あくまでごくざっくりであり、すべてをカバーし切れていないことはご了承ください)

農民だけが一揆を起こした訳ではないのですね。また、武力行使がごく一部に過ぎないことが意外でした。

いつの時代も人々が力を合わせ、心を一つによりよい世の中を求めて行動してきたからこそ、現代日本の豊かさがあります。

暴力はいけませんが、政治や社会に対して声を上げ、一人ひとりが力を合わせて行動を起こして行きたいものですね。

※参考文献:

  • 呉座勇一『一揆の原理』筑摩書房、2015年12月
  • 小林よしのり『大東亜論第二部 愛国志士、決起ス ゴーマニズム宣言SPECIAL』小学館、2015年12月
  • 須田努『幕末社会』岩波新書、2022年1月
 

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