「電報」を使ったことはある?今も特別感がある通信手段の歴史をさぐる:3ページ目
「電報」の現代の位置づけ
日本で最も電報が利用された時期は1963年(昭和38)年で、年間9,400万通以上の電報が送られています。この頃は、まだ電報が一般的な連絡手段として使われていました。
そんな電報の地位が崩れたきっかけが電話サービスの普及です。これにより、緊急連絡手段としての電報の必要性は薄れていきました。
そして、現代では電話だけでなくメールやSNSでより早く連絡が取れるようになったため、緊急連絡手段として電報を使うことはほとんどないでしょう。
しかし、現代でも電報サービス自体は残っており、使用される代表的なものが冠婚葬祭などの慶弔電報です。
そこには、特別なときに大切な思いを形にして受け手に届けるという、昔ながらの電報のイメージが根強く残っていると言えるでしょう。
少し上の年代の人にとっては、「電報が届く」ことにまつわる緊張感とでも呼ぶべきものがあると思います。その緊張感の正体は、こうした歴史にあったのです。
参考資料
祝電・弔電なら電報屋のエクスメール
NTT西日本