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「鎌倉殿の13人」天が次に望むのは……第25回放送「天が望んだ男」振り返り

「鎌倉殿の13人」天が次に望むのは……第25回放送「天が望んだ男」振り返り:2ページ目

比企と北条の確執

さて、そろそろ頼朝に死が迫っていることは誰もが薄々気づいていました。

となれば次の鎌倉殿を誰にするか……順当にいけば嫡男の頼家ですが、そうなると鎌倉の主導権を頼家の舅である比企能員(演:佐藤二朗)に握られてしまいます。

りく(演:宮沢りえ。牧の方)は北条の地位を危ぶみ、北條時政(演:坂東彌十郎)を叱咤しますが馬耳東風。頼朝の舅である地位を恃みにのんきなものです。

しかし時政も比企の悪評を流すなど小細工を弄したせいで能員の娘・せつ(演:山谷花純。若狭局)は頼家の子・一幡(いちまん)まで生んだのに、正室になれずにいたのでした。

そこへ頼家がつつじ(演:北香那。辻殿)を正室に迎えたいと申し出ます。彼女は源為朝(みなもとの ためとも。頼朝の叔父)の孫娘に当たり、比企を警戒する頼朝は源氏の血を引くつつじとの縁談に乗り気です。

つつじ、とはそのモデルとなった辻(つじ)殿に一文字を足して花の名前にしたのでしょう。

劇中では割愛されてしまいましたが、彼女の父親である賀茂重長(かも しげなが。足助重長)も源氏の血を引いています。

治承5年(1181年)、源行家(演:杉本哲太)や義円(演:成河)と共に墨俣川で平家の軍勢と戦って捕らわれ、処刑されてしまいました。

話を戻して、『吾妻鏡』では若狭局を愛妾、辻殿を「室(妻)」としています。しかし若狭局が生んだ一幡は嫡男の扱いを受けており、どっちが正室なのかは判然としません。

三谷幸喜の脚本ですから、恐らく頼家の寵愛すなわち「どっちが正室か」をめぐる女の闘いがここでも勃発するのでしょう。

頼朝は「女好きは嫡男の証し。頼もしいぞ」なんて言っていましたが、周囲の迷惑を考えて欲しいものですね。

3ページ目 意気地なしが二人、小さな盃で……

 

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