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「鎌倉殿の13人」天が次に望むのは……第25回放送「天が望んだ男」振り返り

「鎌倉殿の13人」天が次に望むのは……第25回放送「天が望んだ男」振り返り:3ページ目

意気地なしが二人、小さな盃で……

「鎌倉殿は、いずれ京へ戻られるの?」

夫・時政があてにならないと思ったか、りくは頼朝と二人で語らいます。しかし頼朝にも、上洛の野心はもうありませんでした。

「そう思ったこともあった。しかし朝廷はいつまでたっても我らを番犬扱い。顔色をうかがいながら向こうで暮らすより、この鎌倉を京に負けない都にすることに決めた」

鎌倉を、京に負けない都に……800余年の歳月が過ぎた現代の鎌倉が、頼朝の期待に沿えているかはさておき。

「臆病なこと……野山の鹿を追うのに足が汚れるのを嫌がる犬のよう」

かつて上総介広常(演:佐藤浩市)が頼朝に語ったセリフを思い出します。

「……この乱世に坂東に閉じこもるなんざ臆病者のすることだ。お前さんは、己の道を行けばいい。法皇様だって目じゃねぇや」

※NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第15回放送「足固めの儀式」より

でも、今はもう乱世ではありません。頼朝は自分の限界を感じると共に、そもそもそれを望んでいなかったことを自覚したのではないでしょうか。

鎌倉を武士の都に、東国に新天地を切り拓いた頼朝。確かにもう、彼のやりたいことは仕果たしています。

あとはこれを盤石のものとするだけ。北条義時(演:小栗旬)と政子(演:小池栄子)に頼家を補佐するよう後を托した頼朝の心は、すでに大海へ漕ぎだしていたのかも知れません。

「りくは、強いお方が好きなのです」

己が野心のために頼朝の手をとり、女の武器を出そうとした矢先に、時政が酒をもって割り込んできます。

ちぇっ、失敗……とばかりに「意気地なしが二人、小さな盃で(酒を呑んで)……」と捨て台詞を残して去るのが絶妙でしたね。

4ページ目 頼朝の理解者たる自負

 

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