こけしは「子消し」という恐ろしい説は間違いだった…!? なぜ流布したのか、俗説を検証:2ページ目
2ページ目: 1 2
こけしの発祥は?
こけしの呼び方の起源は諸説あり、
・山に入る際に山の神が忌み嫌う人数をさけるために携行した「さんすけさま」とよぶ人形から誕生した説
・田畑の神回顧の神として崇められるおしらさま信仰から生まれた説
・子供の健康を願って作った「ほうこ人形」説
・単に子供のおもちゃとして作った説
などさまざまです。
発祥は、東北地方・現在の山形県など蔵王連峰の「木地師」たちが手掛けたのが始まりとのこと。木地師とは山中に住み、お椀やお盆、茶たくなどを作り生業としていた木工職人のことです。
江戸時代に温泉地で保養する湯治が流行ると、それらの地でお土産物として多く作られます。それが全国で広まり、各地で独自の進化と形態を遂げたとのことです。
確かに民話や昔話で、恐ろしいこけしの話は記憶にありません。柳田邦男の『遠野物語』などにもこけしの話は見当たりませんでした…。
幕末期の記録「髙橋長蔵文書」(1862年)によると、「こふけし」(こうけし=子授けし)と記されており、子供が授かる祈願やまたは子供の健康を願うお祝い人形だとのこと。「子消し」とまったく意味が反対ですね!
いまその独特のフォルムで再び人気を集めているこけし。
木の持つ暖かな雰囲気が可愛いですよね。と初めて感じることができた筆者です。
参考:岳人(2021年11月号)、日本こけし館
ページ: 1 2