「鎌倉殿の13人」よかったね、小四郎…第13回「幼なじみの絆」振り返り:2ページ目
上総介広常(演:佐藤浩市)の不吉な発言
「お前さんも大変だよな、次から次へと」
義時の兄貴分であり、相談役にもなっている広常は、御家人たちの反感に対して弱気な頼朝や義時を叱咤します。
「強気で行こうぜ。武士(もののふ)なんてモンはよ、結局度胸があるやつに従うんだ」
「現に俺は、武衛(頼朝)のそういうとこに惚れたんだ。だろ?あいつはそれができる男なんだよ、武衛は」
「……下手をすると、鎌倉は真っ二つに割れちまうぞ」
鎌倉が真っ二つに……片方が頼朝として、もう片方は……実に不穏な発言です。
義時「その時、上総介殿はどちらにつかれるおつもりですか」
広常「さぁ、どうするかな」
酒を呷ってごまかした広常ですが、内心では「そりゃ当然、武衛だ」と思っていたでしょうか。
それとも「どのみち、俺がついた方が勝ちだ」と確信した上で、武衛を超える将器が現れれば鞍替えするかも知れません。
ここではっきり言わないのは、義時そして武衛の油断を生まない配慮かと思われます。
比企能員(演:佐藤二朗)&道(演:堀内敬子)夫婦の野望
能員「ん~。世の中、何がどう転ぶか分からんな。時政が鎌倉を離れてしまっては、北条も軽く見られよう」
時政の不在に乗じて源氏一門に取り入ろうとする比企能員(演:佐藤二朗)とその妻・道(演:堀内敬子)。
道「この先は、我が比企の出番でございますね」
能員「まずは万寿(頼朝の嫡男。後の源頼家)様を立派なお子に育て上げねば」
それにしても、いきなり寝転んでの場面転換(登場)には少し面食らいました。能員はともかく、道がそういうポーズをとるイメージがなかったのです。
道「足りませぬ。北条がそうしたように、我らも源氏に取り入るのです」
能員「送り込むか、娘たちを」
道「食い込むのです。ぐいぐいと(能員のほっぺたを指先でぐいぐい)」
この辺りから、権力への野心が芽生えたのかも知れませんね。
果たして送り込んだ娘の常(演:渡邉梨香子)と里(演:三浦透子)の内、里の方が源義経(演:菅田将暉)の心をとらえました(常をあてがうつもりだった範頼は、その誘いをキッパリ拒否)。
彼女が後の郷御前(さとごぜん)、義経の正室として終世添い遂げることになります。武蔵国の豪族・河越重頼(かわごえ しげより)の娘で、母方の祖母が比企尼(演:草笛光子)となります。
義経が比企に取り込まれつつある状況をどのように描くのか、楽しみですね。