妖怪「アマビエ」のルーツ?越後国の海から光る姿で突然現れた「アマビコ」の謎に迫る
新型コロナウイルスの終息祈願で、注目を集めている妖怪「アマビエ」はご存じの方も多いのではないでしょうか。
実はこのアマビエにはルーツとなる妖怪、アマビコがいるといわれています。今回は、アマビコの謎について紹介いたします。
3本足の猿?
アマビコは天保15年(1884年)に、越後国(新潟県)の海から光る姿で突然現れました。
そして、鳶(トビ)ようなの声で「この年にたくさんの人が亡くなる。自分の姿を書き写し、それを見るものは病から逃れられるだろう」と伝えたという記述とともに、3本足の猿のような挿絵が描かれていました。
また、明治8年8月14日、「東京日日新聞」には不思議な紙の絵を祀る村民のようすが取材されています。
とある人が、新潟県の越後湯沢駅周辺の家々に3本足の獣の絵が貼られていることに気づきます。不思議に思って地元の人に尋ねたところ、「天日子尊(アマビコ)」のお姿だという答えが返ってきました。
実はひと月ほど前に、異形のものが田んぼの中に立っており、「我は天日子尊なり」と名乗ると、7年間の凶作と人口の減少を予言したのだそうです。
そして、それを免れるには自分の姿を写して家に貼り、朝夕祀りなさいと仰せられたとのことでした。
アマビコのような特徴を持つ異形は、他にも「尼彦入道(あまびこにゅうどう)」や「アリエ」など、名を変えて新聞で報道されています。
出現場所や名前、細かな容姿は違えど、「凶作や疫病の予言をすること」「避けるためには自分の姿を写してそれを祀ること」がセットとなっており、アマビエもこの一種ではないかと考えられます。
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