妖怪「アマビエ」のルーツ?越後国の海から光る姿で突然現れた「アマビコ」の謎に迫る:2ページ目
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商売上手、現る
明治14年10月20日「東京曙新聞」には、異形の札を商いする商人の話が記載されています。
明治14年は、不安定な情勢が続いていた時代でした。その不安もあってか、世界消滅のうわさが流れていたといいます。
そんなときに、葛西金町の豪農の家に、3人連れの男が現れました。男たちは怪物が描かれた絵を数枚持っており、これは天彦様の御影であり、拝めば災いを避けることができると言ったといいます。
アマビコは妖怪というよりも神さまとしての性格を持っていたと推測されます。
現在でも、アマビコの派生と考えられるアマビエの姿はさまざまなイラストや漫画、はたまたスイーツなども販売されており、その勢いはとどまるところを知りません。
時代が変わっても、健やかに生きたいという人間の切なる願いがある限り、アマビコは姿を変えて我々の前に何度でも現れてくれるのかもしれませんね。
参考文献:湯本豪一編『帝都妖怪新聞』角川ソフィア文庫 平成23年8月25日刊
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