力士って相撲を取る前に色々と何してるの?四股、塩まき、力水…全て意味ある儀式:2ページ目
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力水を受ける
神聖な土俵に登る力士が、身を清めるために行います。
私たちが寺社参拝をする前に、口をすすぐのと似ていますね。
直前の取組みで勝った力士が土俵際に残り、同じ方屋の次に取組みを行う力士に柄杓で「力水」を渡します。受け取った力士は口をすすぎ、「力紙」で口元を隠して吐き出します。
ちなみに、直前の同じ方屋の力士が負けた場合の力水は呼出しが渡し、最初の取組みで直前に勝った力士がいない場合は次の取り組みを行う力士が渡すこととなっています。
塩をまく
相撲に欠かせないものの1つが塩ですが、現在は塩をまくのは十両以上の力士のみと決められています。
力士が土俵にまく塩は「清めの塩」で、「盛り塩」や葬儀の帰りに塩をまくのと同じ意味を持ち、力士の安全祈願と、神聖な土俵を清めるために行われています。土俵で力士が怪我をした場合にも、邪気を払うために土俵に塩が撒かれることになっています。
ちなみに塩をまく量の規定は特にないため、水戸泉や照強のように大量の塩を豪快にまく力士もいれば、指先程度の量しかまかない力士もいます。
仕切り
蹲踞の姿勢から立ち上がり、足の位置を決め、腰を下ろし、手をついて「立合い」の姿勢を確認します。
幕内は4分、十両は3分、幕下以下は2分の「制限時間いっぱい」になるまで仕切りを繰り返すことが多いのですが、両力士の呼吸が合えば時間前に取組みを始めることもあります。
これらの儀式は、全力士とも取組みが始まる前に、ほぼ同じように行っています。力士の行っている動作の多くが取組み前の土俵の清めのためであることからも、相撲が一般的なスポーツとは一線を画した「神事」であることをうかがい知ることができますね。
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