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着物の文様から絵師・鈴木春信の浮世絵「風俗四季哥仙」を読み解く!春信の魅力 その3【後編】

着物の文様から絵師・鈴木春信の浮世絵「風俗四季哥仙」を読み解く!春信の魅力 その3【後編】

斎宮良子内親王

伊勢神宮の斎宮で、“斎宮良子内親王貝合”を主催した良子内親王は1030年生まれ。後朱雀天皇即位に伴い、8歳の時に未婚の内親王の中から占いで選ばれて斎宮となりました。1040年の貝合せの宴の時はわずか10歳だったのです。

その後、後朱雀天皇譲位により17歳で退下し、帰京します。帰京後は母の下で、弟妹らと暮らしていたようです。承暦元年(1077年)、天然痘のため49歳で死去しました。

“風俗四季哥仙 三月”の男性の羽織に描かれていた“源氏香”の図案。一番似ていた図案は“玉鬘”の図案で、意味は“どうにもならないこと”や“運命”。

あの羽織に描かれた“玉鬘”に似た“源氏香”の図案は、良子内親王の人生を表していたのではないかと筆者は読み解きました。

さいごに

“風流四季哥仙 三月”は単なる潮干狩りの絵では無かったようですね。江戸時代の人々も、素っ頓狂なことを考えたりして浮世絵を楽しんだのかと思うと、身近に感じられます。

次回は“風俗四季哥仙 (その4)”に続きます。

 

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