世界的にも少数、日本の左側通行は江戸時代のサムライの作法から始まった?:2ページ目
昔は「左側通行」が主流
世界が左側通行だった最古の証として、古代ローマ(紀元前753年〜紀元前509年)の遺跡から出土したピストン輸送で走っていた荷車の轍(わだち)の跡があります。この轍を詳しく調べてみると、「左側通行」になっていたことが判明しています。
また、古代ギリシャや古代エジプトでも、おおむね左側通行だったことが考古学者や人類学者が明らかにしています。そう、かつて人類の通行の主流は、右側通行ではなく、左側通行だったのです。
世界の通路を90%右側通行にした人物
世界的には中世あたりまでは左側通行が主流だったのに、今日では諸外国のほとんどが右側通行になっています。それは、フランスの革命家、ナポレオン・ボナパルト(1769〜1821)によるものといわれています。
歴史上、ナポレオンは、「史上最大の交通インフラ整備を行った」といわれていて、征服した地域の交通網の開発を積極的に行ったといわれています。
1792年、彼が正式にフランス国内外の右側通行を法令にしたという記録が残っています。
実際、世界地図で調べてみるとわかるのですが、現在でも左側通行を採用している国々のほとんどは、ナポレオンに征服されなかったイギリスと、その植民地だったことがわかります。そういう意味では、日本もナポレオンの支配がなかった国のひとつです。
ナポレオンはなぜ右側通行をルールにしたのか、それを説明する考えとして、「ナポレオンが左利きだったから」という説と「ナポレオンの戦術のため右側通行をとりいれた」という説がそれぞれ主張しているそうです。
3ページ目 日本の左側通行は江戸時代の武士の作法から生まれた?