日本で最初に罰を受けたのは日の光を奪ったスサノオ?串刺、糞戸、死膚断…古代の罪を紹介:3ページ目
《国津罪》
- 生膚断(いきはだたち)…生きている人の肌に傷をつけることで、傷害罪に相当します
- 死膚断(しにはだたち) … 死んだ人の肌に傷をつけることで、死体損壊罪に相当します
- 白人(しらひと)…白斑病にかかること。こういった病気にかかるのは罪を犯したからだという考えから。
- 胡久美(こくみ)…いぼや瘤が、象皮病などになること
- 己が母犯せる罪 …実母との近親相姦
- 己が子犯せる罪…実子との近親相姦
- 母と子と犯せる罪…男が女とその子を犯すこと
- 子と母と犯せる罪…男が女とその母を犯すこと
- 畜犯せる罪…獣姦のこと。『古事記』には「馬婚(うまたわけ)」、「牛婚(うしたわけ)」、「鶏婚(とりたわけ)」、「犬婚(いぬたわけ)」と記述があります。
- 昆虫(はうむし)の災 …毒蛇やムカデ、イナゴなどによる災難にあうこと
- 高つ神の災…落雷などの天災
- 高つ鳥の災…鳥による家屋損傷などの災難
- 畜仆し(けものたおし)…みだりに動物を殺すこと
- 蠱物(まじもの)する罪…生け贄を捧げ呪詛を行うこと
これらの罪には下記のような刑罰が科されました。
- 焚殺(ふんさつ)…焼き殺すこと
- 火罪…火あぶり
- 散梟(ちらせくしさせ)…死刑の後、死体をさらすこと
- 斬刑
- 流刑
- 移郷…村や集落から追放すること
- 徒刑(ずけい)…島流しにして労役させること
- 黥刑(げいけい)…入れ墨を入れ罪人としらしめること
- 贖罪…金品を出し罪をあがなうこと
病気や天災など、自らの意思に反して起きてしまったことも「その者に罪があるから災いが起きたに違いない」という罪になってしまうのは、恐ろしいことですね。
参考文献:『古事記』『日本書紀』『大宝律令』より