明治時代の絵本「縮緬本」の展覧会が無料開催
『縮緬本』とは、和紙に印刷した後、絞って加工して和本に仕立てたもので、明治期に長谷川武次郎によって考案されました。
絵が味わい深い!明治時代の海外向けむかし話"縮緬本"がまとめられた「ちりめん本データベース」
『縮緬本』とは、和紙に印刷した後、絞って加工して和本に仕立てたもので、明治期に長谷川武次郎によって考案されました。来日した外国人のお土産用として作られ、外国へ日本文化を紹介するのに一役買いました。見た…
千葉県松戸市の聖徳大学では、学術資料として「長谷川武次郎コレクション」として多くの縮緬本を収蔵しています。2017年3月27日から開催されている収蔵名品展「ちりめん本 明治期に海を渡った日本の昔噺」では、聖徳大学が収蔵する300点に及ぶ縮緬本コレクションの中から、約65点が一般に公開されています。
同展では1885(明治18)年に発行された、初めてのちりめん本「日本昔噺シリーズ」(Japanese Fairy Tale Series)も公開されるとのこと。ほか、水木しげる氏が描いた『百鬼夜行図』をちりめん加工した絵葉書なども展示。ちりめん紙の手触りを体験するコーナーも設けられているとのこと。ちりめん生地のように細かくしわが寄せられた独特の風合いを、触感でも楽しむことができます。
ちりめん本の錦絵のような挿絵は、100年以上たった今でも鮮やかさを留めており、美術工芸品とも言える美しさ。今回の展示では、当時の日本人の生活風景や風習・行事などを描いたカレンダーやラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の英訳本なども展示されます。
マルチリンガルに出版されていたちりめん本は、いわば明治時代のインバウンドメディア。当時、日本文化の紹介に大きく貢献しました。日本のおみやげとしても外国人に人気が高かったちりめん本の美しさを楽しんでみて下さい。
聖徳大学収蔵名品展 ちりめん本 明治期に海を渡った日本の昔噺
会場:聖徳大学クリスタルホール1F 企画展示ギャラリー
会期:平成29年3月27日(月)~平成29年8月26日(土)
時間:9:00~17:00(休館:日曜日・祝日と学業日程による休業日)
観覧料:無料