
金装飾と判明したあの名刀も!世界遺産・春日大社の名品づくし「春日大社 千年の至宝」
刀剣ファンにとって2016年の10大ニュースに入るであろう発表が9月にありました。
奈良県にある世界遺産・春日大社に伝わる国宝「金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたたち)」を調査した結果、金具部分の装飾には22〜23金という極めて純度の高い金が使われていたというもの。それまでこの太刀の金属部分は銀やメッキ加工されているものと考えられていました。
金メッキ違〜うっ!国宝・金地螺鈿毛抜形太刀には極めて珍しい高純度の金が使われてた!
そんな驚きの事実が判明した国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」を見られるチャンスがやってきます!そのチャンスというのが、2017年に東京国立博物館で開催される特別展「春日大社 千年の至宝」です。
春日大社はおよそ1300年前の奈良に都ができた頃、平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために創建されました。平成10年には「古都奈良の文化財」として、春日大社や春日山原始林などがユネスコの世界遺産に登録されました。
本展では"平安の正倉院"と呼ばれる王朝工芸の名宝や中世の刀剣、武器武具、さらに春日信仰に関わる絵画彫刻などが一堂に紹介されます。
- 春日宮曼荼羅(かすがみやまんだら) 鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館蔵 [前期展示:2017年1月17日(火)~2月12日(日)]
- 重要文化財 文殊菩薩騎獅像および侍者立像(もんじゅぼさつきしぞうおよびじしゃりゅうぞう) 康円作 鎌倉時代・文永10年(1273) 東京国立博物館蔵
春日大社の始まりは武甕槌命(たけみかづちのみこと)が鹿に乗り、常陸国鹿島(ひたちのくにかしま)から春日の地に降り立たれたことに始まります。その始まりにまつわる絵画作品や歴史資料や、春日信仰に関連した、神々への祈りを表わした美的世界感が表現された名品たちが本展には並びます。
- 国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)(あかいとおどしおおよろい うめうぐいすかざり) 鎌倉時代・13世紀 奈良・春日大社蔵 [展示期間:2017年1月17日(火)~2月19日(日)]
- 国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)(あかいとおどしおおよろい たけとらすずめかざり) 鎌倉~南北朝時代・13~14世紀 奈良・春日大社蔵 [後期展示:2017年2月14日(火)~3月12日(日)]
さらに刀剣好きや甲冑好きも楽しめる展示も。春日大社に奉納された武具や刀剣が一堂に観覧できるんです。前述した金地螺鈿毛抜形太刀をはじめ、国宝となっている装飾豊かな甲冑も並びます。
春日大社には国宝殿が設置されていますが、関東近郊に住んでいると奈良県まではなかなか足を運べないもの。ぜひこの機会に春日大社の名品を楽しんで見てください。
特別展「春日大社 千年の至宝」は、2017年1月17日(火) ~ 2017年3月12日(日)の期間、東京国立博物館で開催されます。前期、後期に展示期間が分かれており、展示内容も変わりますので詳しくはホームページをチェックしてください。