すごい共演!伊藤若冲、横山大観などの縁起物だらけの展覧会「ゆかいな若冲・めでたい大観」:3ページ目
時代を超えて愛される十二支
時代を超えて愛され続ける動物といえば干支の十二支です。
2016年は申年なので、「ゆかいな若冲・めでたい大観」では、猿を描いた作品を大公開中!
石田武《子猿》や守屋多々志《仙桃》の猿たちは、今にも絵の中から飛び出してきて、元気いっぱいに跳ね回りそうです。他にも、第二展示室には、猿をモチーフにした作品がいくつも展示されています。お気に入りのお猿さんを見つけてくださいね。
もちろん、干支の動物キャラクターは猿だけではありません。たとえば、奥村土牛が扇子に描いた十二支の動物たち。
ゆるい雰囲気が漂っています。愛らしい十二支たちに心癒されます。
一方、神聖な雰囲気を醸し出していたのは山口華楊《生》。
生まれて間もない仔牛がこちらを見つめています。その瞳には期待と不安が滲んでいるようです。私は、仔牛の生に新しい年の始まりを重ね合わせ、自らを奮い立たせました。
ユーモラスな作品を鑑賞して初笑い
伊藤若冲がとにかく面白い!
《仔犬に箒図》と《大根図》では、箒や二股大根がほんわかした雰囲気で描かれ、禅宗に深く帰依していた若冲らしさ全開のモチーフが輝いています。若冲の作品は、禅問答における公案のように、人生の奥深さにも通じています。
歌川国芳の作品も多数展示されています。
《白面笑壁のむだ書》では、人気の歌舞伎役者を落書きのような筆致で表現。これらの作品が流行した当時、江戸幕府は役者絵を禁止していました。そんな幕府をおちょくるかのごとく、「これは落書きですよ」と言って国芳は役者を描きました。幕府と国芳のやり取りにもおかしさがありますね。
後期には、金魚や猫を国芳がコミカルに描いた作品登場予定。国芳ファンは、何度も足を運ぶといいことがありますよ!
「ゆかいな若冲・めでたい大観」には、上品な笑いが溢れています。初笑いにぴったり!