なんと「万葉集」にかけ算の”九九”が!奈良時代の人々は算数・数学をどれほど使いこなしていたのか:2ページ目
奈良時代の人々の計算能力
それにしても、時間に正確であるためには計算能力も必要となります。では、当時の人々は算数・数字にどのくらい馴染んでいたのでしょうか。
実は奈良時代には、平城京の学校で数学の授業が行われていました。算生と呼ばれた学生たちが、渡来の数学を学んでいたのです。
テキストには、中国や朝鮮半島の古算書がそのまま使われていました。
そのレベルは高く、面積や体積の計算法、平方根、立方根の算出、一次連立方程式の解法など、現代の中学数学レベルにあたります。
一方、普通の庶民もそこそこの計算能力を身につけていました。奈良時代の庶民には「九九」ができる人が多数いたのです。
当時の「九九」は、「九九八十一」からはじまり、「一一の一」で終わるというものでした。現代とは正反対ですね。
もともと、九九は冒頭が「九九」だから、「くく」と呼ぶようになったわけで、「一一の一」でスタートするようになったのは織豊時代の頃からだったようです。