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紫式部に酷評された清少納言は意外と奥ゆかしかった?藤原斉信とのこんなやりとり【光る君へ】

紫式部に酷評された清少納言は意外と奥ゆかしかった?藤原斉信とのこんなやりとり【光る君へ】:2ページ目

草の庵を 誰(たれ)かたづねむ
【意訳】こんな寂しい所に、誰が来てくれると言うのでしょうか。

これは藤原公任の和歌集『公任集』より。この和歌から採りました。

九重(ここのへ)の 花の都を おきながら
草の庵を 誰か訪ねむ
【意訳】花盛りの都に行かず、寂れた草庵など誰が訪ねるものでしょうか。

これは『白氏文集』の漢詩を元に詠んだものです。

つまり、清少納言はこう言いたかったのだと思われます。

「あなたの周りには、素敵な女性がいっぱいいることでしょう。そんな彼女たちをさしおいて、私の所になんか来てくれはしないでしょうね」

『白氏文集』の一節を知っていると直接答えるよりも、『公任集』を引用することで、より幅広い才知をそれとなくほのめかしたのでした。

また、消し炭でつたなく書いたのは
「あなたを思って手指が震え、また墨をするのももどかしいほど、急いで返事を書いたのだ」
というメッセージ。才知あふれる彼女なればこその演出を、斉信は心にくく思ったのではないでしょうか。

終わりに

以上、清少納言の才知を感じとれるエピソードを紹介しました。

何でもストレートにあしらいそうな彼女が見せた、意外な奥ゆかしさ……と思いきや、やはり才知がそこかしこに匂いたちます。

「そー言うところが気に食わないんですっ!」

誰かさんの怒りが聞こえるようですが、果たしてNHK大河ドラマ「光る君へ」では、このエピソードが描かれるのでしょうか。

これからも、楽しみにしています。

※参考文献:

  • 山中裕『平安時代大全』ロングセラーズ、2023年12月
 

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