幕末に描かれた史上最大級の彩色博物図譜「本草図説」の動物たちが切手デザインに!
日本郵便から、科学的な観点で自然由来のものが描かれた写生画などを題材とした特殊切手「自然の記録シリーズ 第4集」が発行されます。
2021年に第1集が発行された「自然の記録シリーズ」も、今回が第4弾。今回の切手デザインでは、”動物の図譜”を取り上げています。
デザインに使用されているのは、幕末の本草家・高木春山による、魚・鳥・獣・虫・植物・鉱物・自然現象など、およそ全ての自然物を網羅した史上最大級の彩色博物図譜「本草図説」です。
ちなみに、似た名前の図譜で、江戸時代の本草学者であった岩崎灌園(いわさき かんえん)によって作成された「本草図譜」を紹介しましたが、こちらもオススメの図譜です。
約2000種もの植物を写生!江戸時代に作られた日本で最初の植物図鑑「本草図譜」
Japaaanではこれまでに、日本の国花「菊」の様々な品種を描いた「契花百菊」や、喜多川歌麿による昆虫図鑑「画本虫撰」、29種もの桜を写生した江戸時代の「桜花譜」など、江戸〜明治時代に刊行されたさまざ…
話を戻して、高木春山の「本草図説」は春山の確かな観察眼と画力からなる精密な写生画に、 さまざまな書籍や春山自身の知見に基づいた解説を付しています。
春山が志半ばで逝去したため未完ですが、195冊に及ぶ膨大な量とその質の高さは見る者を圧倒します。
今回の特殊切手で採用されているのは、「本草図説」に描かれている、アナグマ、シカ、ウサギ、イヌ、キリン、ヤマアラシ、サル、ネコ、ロバ、テン。これに加えて余白にクジラを採用。
江戸時代に動物図譜に描かれた動物たちは、浮世絵に描かれた動物たちとはまた違った魅力がありますね。特殊切手「自然の記録シリーズ 第4集」は、2024年1月24日(水)から全国の郵便局やネットショップなどで発売されます。