「鮎子」とはいったい何?万葉集の甘酸っぱい恋の歌を楽しもう:2ページ目
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甘酸っぱい恋の歌をどうぞ
今回ご紹介する歌は
「春されば 我家の里の 川門には 鮎子さ走る 君待ちがてに」
というものです。
「春されば 我家の里の 川門には」は「春が来ると/春になると、私が住む里の川のあたりには」という意味。
次の「鮎子さ走る」がこの歌のポイントです。「鮎子」というのは現代では女性のお名前であるかもしれませんが、ここではシンプルに「(魚の)鮎の子」という意味です。「君待ちがてに」と合わせて、「鮎が走るくらいに私はあなたのことを待ちかねている」という淡い恋心を歌っているのです。
男性が来るのを待っている娘の恋心を走り回る鮎に重ねて歌ったこの歌、なかなか情緒あふれる作品ではないでしょうか。
歌の詠まれた背景
歌が作られた背景にもさまざまな説があります。大伴旅人たちが娘の気持ちを詠んだものとする説や、旅人が娘と心を交わして愛をはぐくんだという説もあります。どんなきっかけで生まれた歌なのか、それを想像するのも楽しいのではないでしょうか。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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