「鎌倉殿の13人」突き進む実朝が見落としているものとは?第43回放送「資格と死角」振り返り:2ページ目
上洛した政子、藤原兼子と渡り合う
さて、広元をフッた(という訳ではない)政子。実朝の養子を迎えるべく「母にお任せあれ」と一路京都へ。本件のキーパーソンである藤原兼子(演:シルビア・グラブ)に謁見します。
「お口汚しですが……」
「坂東では、口が汚れるようなものを差し出すのか」
いきなりキツめのジャブを食らった政子。以前であれば慌てて進物の干し蛸を取り下げたでしょうが、すかさず反撃を繰り出しました。
「たまには口が汚れるものも食べた方が、日ごろの食事に感謝できるようになりますよ」
この吾妻女(あづまおんな。東国女性に対する蔑称)、なかなか言いおる……「遠い所からようこそ」と繰り出せば「地の果ての鎌倉より」来たと応える政子。卑屈なようでいて、したたかな本性を兼子は気に入ったようです。
さて、鎌倉殿の候補となり得る(出家していない)皇子は現時点で雅成親王(まさなりしんのう。母は藤原重子)と頼仁親王の二人。
頼仁親王の母は実朝の正室・千世(演:加藤小夏。坊門姫)の姉妹、そして兼子が育ててきました。
当今(とうぎん。現在の天皇陛下=ここでは第84代・順徳天皇)にお子が出来て、皇位継承の望みが薄くなってしまった頼仁親王が鎌倉殿となれば、兼子の地位も固まります。
すっかり意気投合して政子を従三位(じゅさんみ)に推薦した兼子。その後も朝廷と鎌倉の架け橋として力強い味方となってくれるのでした。
大任を果たして鎌倉へ戻った政子の「従三位」ポーズは、前に頼朝と「征夷大将軍!」を喜び合った時を思い出します。ぎこちなくもポーズを真似てくれた実朝の不器用さも可愛いですね。
そして自室で寝っ転がる政子。鎌倉の命運を担う大任を果たした安堵感が伝わります。本当にお疲れ様でした。