「鎌倉殿の13人」突き進む実朝が見落としているものとは?第43回放送「資格と死角」振り返り:4ページ目
泰時、讃岐守を辞退
順風満帆?な実朝は、側近として尽力してくれた北条泰時(演:坂口健太郎)を国司に推挙しようと言い出しました。
仲章「ならば、菅原道真(すがわらの みちざね)公と同じ讃岐守などはいかがかと……」
菅原道真と言えば学問の神様として祀られる天才。ですが、一方でその生前は左遷されて不本意な最期を遂げています。
(そんな事さえ、お前ら坂東武者は知らないだろう)
と仲章が思ったかはともかく、泰時はこれを辞退。その真意を聞いた義時は安心しました。
「お前は私を嫌っているのは分かっている。しかし私は、お前を認めている。お前は必ず私を越える執権となる。その時に必ず障害となる仲章に借りを作るな(取り込まれるな)」
初めて?気が合ったという泰時。今まで自分が手を染めてきたもろもろを少しでも理解してもらえて、義時も嬉しかったことでしょう。
義時がなろうとしてなれなかった執権とは、恐らく後世の私たちが知る「俺たちの泰時」像を指していることと思われます。
でも、口にすると下手に意識されて叶わなそうな気もする、そんな微妙な思いが義時の表情からうかがい知れたでしょうか。
ちなみに、泰時を讃岐守に推挙するエピソードは『吾妻鏡』にも記録されており、やはり泰時は辞退しています。
余談ながら、北条朝時(演:西本たける)が手を出した“ちぐさ”なる女性は、きっと彼のチャラ男っぽさを引き立てるための創作(架空の人物)でしょう。
「俺たちの泰時」を引き立てたい気持ちも解りますが、朝時のカッコいいところも魅せて欲しいですね(あと、できれば三男の重時も……)。