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「鎌倉殿の13人」突き進む実朝が見落としているものとは?第43回放送「資格と死角」振り返り

「鎌倉殿の13人」突き進む実朝が見落としているものとは?第43回放送「資格と死角」振り返り:3ページ目

トキューサ、後鳥羽上皇をどつく

政子のお付きとして上洛につき合ったトキューサこと北条時房(演:瀬戸康史)。かつて「いつか京都で公家たちと渡り合えるように」と学んだ蹴鞠の腕を発揮する時が来ました。

後鳥羽上皇(演:尾上松也)が寄越した鞠を華麗に蹴って返し、しばし妙技の応酬を繰り広げます。

「東夷(あづまゑびす。東国人に対する蔑称)のくせにやりおるな」

「何だと、この~」

よもや相手が上皇陛下とは思わない時房は、後鳥羽上皇を軽くどつく暴挙に(仮に上皇でなくても、明らかにやんごとなき方に手を出すのはどうかと思いますが)。たちまち捕らわれたものの、上皇によって解放されました。

慈円「北条時房にございます」

後鳥羽上皇「そなたが北条トキューサか」

時房「トキューサにございます!」

蹴鞠の腕と物怖じしない時房を気に入った後鳥羽上皇、「我が子を鎌倉に与える話、進めてやれ」と指示。思いがけない大手柄です。

「また会おう」と去って行った後鳥羽上皇。果たして両者の蹴鞠対決は見られるのでしょうか。

実朝、頼朝を超える

もう子孫は残さないから、せめて高位を望もう。そんな実朝は建保6年(1218年)3月6日、左近衛大将に任じられました。

亡き父・源頼朝(演:大泉洋)の生涯最高位が右近衛大将。右よりも左の方が上位なので、官職としては父を超えたことになります。

ちなみに、左近衛大将と同時に左馬寮御監(さまのりょうごげん)を兼任。同年10月9日に内大臣、同じく12月2日には右大臣まで上り詰めました。

朝廷の後ろ盾をいかんなく発揮して強い鎌倉殿を目指す姿は、自らに足りなかった資質を補おうとしているようです。

ただしそれはあくまで朝廷の威を借ってのこと。また朝廷との橋渡しを務める源仲章の台頭と引き換えでした。

また、御家人たちの権力争いを止めることばかりに集中しているため、甥の公暁が露骨に野心を覗かせていることにさえ気づきません。

これは死角というより完全な不注意。やはりある程度の合意は形成しておいた方が良かったのではないでしょうか。

最初は反対していた義時も、朝廷から「人質をとる」という解釈で皇族を鎌倉殿に迎えることに同意します。

順調に昇進し、後継者問題も解決の方向に向かっている。いわばこの時期が、実朝にとってピークだったと言えそうです。

4ページ目 泰時、讃岐守を辞退

 

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