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どこまでも鬼畜!実は赤子ともども静御前まで殺そうとしていた源頼朝&梶原景時【鎌倉殿の13人】

どこまでも鬼畜!実は赤子ともども静御前まで殺そうとしていた源頼朝&梶原景時【鎌倉殿の13人】

しづやしづ しづのおだまき くり返し……謀叛人となってしまった源義経(演:菅田将暉)を慕う舞いを演じた静御前(演:石橋静河)。

彼女が魅せた「おなごの覚悟」を前には、さすがの源頼朝(演:大泉洋)も黙って賞賛せざるを得ませんでした。

静御前の動向について、鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』では「舞い⇒出産した男児を殺される⇒解放されて消息不明に」……という流れで、当人の命だけは助けられます。

元から殺すつもりはなく、義経に関する有益な情報を引き出すほか、妊娠していたのが男児であった場合は殺して復讐の芽を絶てば事足りたからです。

(女性だったら復讐を企まないのか、と言えばはなはだ疑問ですが……)

しかし義経伝説をまとめた軍記物語『義経記』だと、源頼朝と梶原景時(演:中村獅童)は静御前を殺そうとしたとか。

どうしてそこまで憎いのか、今回は『義経記』より静御前と頼朝&景時のやりとりを紹介したいと思います。

敵の子を妊じて候女をば……

義経からこよなく愛され、都落ちにも同行した静御前。しかし女人禁制の吉野山に入れず、都へと返されてしまいました。

出産も近いため、母親である磯禅師(いそのぜんじ)の元で療養していた静御前の噂が、京都守護であった北条時政(演:坂東彌十郎)にも入ります。

「鎌倉殿へお知らせすべきでしょう」

江馬小四郎(北条義時。演:小栗旬)と相談して鎌倉へ早馬を飛ばした時政。情報を受けた頼朝は、景時に相談しました。

「都で静とか申す白拍子が九郎の子を孕んでそうじゃ。いかがしたものか」

尋ねられた景時が答えるには、

「謀叛人の子を孕んだ女など、脳天をカチ割って全身の骨を拉ぎ(ひしぎ、すりつぶし)、中の骨髄を抜き取ってやるべき大罪人。男児ならば迷わず殺し、女児ならば奴隷として召し使ってやりましょう(意訳)」

【原文】……敵の子を妊じて候女をば、頭を砕き骨を拉ぎ、髄を抜かるる程の罪科にて候なれば……(中略)……若君にて渡らせ給ひ候はば、君の御計らひにて候べし。姫君にて候はば、御前に参らせさせ給ふべし……

※『義経記』巻第六「静鎌倉へ下る事」より

いったい何がそこまで憎いのでしょうか。ただ殺すだけでは飽き足らず、脳天をカチ割って全身の骨をすりつぶし、骨髄(髄液)まで抜き取って……と徹底しています。

二度と甦るな!とばかりの鬼気迫る勢いは、日ごろ義経のことをよほど妬み嫌っていたためでしょう。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、義経の軍略をこよなく愛し理解する名将として描かれている景時。しかし従来の物語作品では、多くの場合「義経に嫉妬して陥れる奸佞な人物」として描かれてきました。

それじゃあ早速連れてこい、ということで、御家人の堀藤次親家(ほり とうじちかいえ)が迎えに行きます。

2ページ目 あら恐し、それ聞け景時……

 

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