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刀を差すのは禁止!明治時代の「廃刀令」は効力を失わず、実は昭和時代まで続いていた

刀を差すのは禁止!明治時代の「廃刀令」は効力を失わず、実は昭和時代まで続いていた:2ページ目

ついに廃刀令を布告!士族らは反発するも……

「よしよし、脱刀令は順調に普及しているようだな……」

明治政府は明治9年(1876年)3月28日、いよいよ「原則的に、刀を差すのは禁止!」という廃刀令の布告に踏み切ったのでした。

この布告は題名がないため、便宜上「大礼服並軍人警察官吏等制服着用の外帯刀禁止の件(太政官第38号)」と呼ばれます。

「近代的な軍隊が創設され、全国あまねく警察制度が整備されたため、個人単位の護身は不要である。いつまでも武士気取りで刀なんて差していると気持ちも殺伐としてしまうため、今後は原則として帯刀を禁止すべし(大意)」

山県有朋(やまがた ありとも)の建議によって発せられた布告は「大礼服(最上級の礼服)を着用する時や、軍人や警察が職務に臨む時を除き、刀を差すことを禁じる」もので、脇差すらも認められませんでした。

「「「ふざけるな!」」」

士族たちはもちろんのこと、旅の護身や冠婚葬祭などの正装として脇差を差す習慣のあった庶民も廃刀令に反発。まだ時期尚早だったか?……と思った政府当局は、こんな抜け道を用意します。

「いや、あくまで禁じているのは帯刀であって、所持(持ち歩くこと)や所有(自分の財産として家などに置いておくこと)まで禁じてはおらぬ……」

つまり「腰に差すのはダメだけど、手に持ち歩いたり肩に担いだりするのはOK」ということで、それじゃ意味がないのでは?と思ってしまいますが、とにかく武士っぽくない状態を定着させられれば、その内みんな面倒になって持たなくなると読んだのでしょう。

そんな当局の読みは確かに当たり、最初の内は抗議の意味でやたらと刀を持ち歩く者が多かったそうですが、抜く訳でもなく片手がふさがってしまう刀は文字通り「無用の長物」であり、次第に廃れていったのでした。

3ページ目 「廃止する」と言わない限りずっと有効

 

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