地味だけど効果絶大!?戦国時代、合戦の合間に繰り広げられた嫌がらせの数々:2ページ目
焼き働き(やきばたらき)
要するに放火、付け火ですね。焼き払うのは敵陣が理想ですが、それが難しければ田畑でも民家でも、何だったらそこら辺の森林だって構いません。
炎というものは、きちんと管理できていれば見ていて心を落ち着かせてくれますが、ひとたび制御不能な火災となると、実に心をざわつかせてしまうもの。
不安から興奮状態に陥り、それが敵の混乱を招いてくれればしめたものですが、風向きなどに注意しないと、却って味方を混乱させてしまいかねない諸刃の剣。
ともあれ、戦争映画でとりあえず(あまり戦略的に意味がなさそうでも)あちこち燃えている理由が解るような気がします。
田返し(たがえし)
耕(たがや)すの語源ともなったこの行為、土を掘り返して田畑の作物が育ちやすくするだけでなく、既に育っている作物を埋め込んでしまうことも言います。
作物を刈り取るほどのメリットはなく、また焼き払うほどのお手軽さにも乏しい(むしろ大変な労力を要する)こんなことを何でやるのかと言えば、敵に与える心理ダメージの大きさでしょう。
せっかく育てた作物が、一面の涅(くろつち。黒土)にされてしまった時のショックは、単に作物の損害のみならず、「嫌がらせのためだけに、よくもまぁこんなバカバカしいことを……」というげんなり感も加わり、想像するだけでも気の毒になってしまいます。
乱取(らんどり)
何だか柔道の稽古みたいですが、乱捕と書くと、その本質がよく解りますね。要するに「略奪」です。
近隣の村落や城下町に乱入して、金目のモノでも家畜でも女子供(女性はお楽しみ用、子供は売り飛ばす用)でも、手当たり次第に奪い取る許可を与える訳ですが、一般的に高価なモノほど厳重に管理されており、リターンには相応のリスクが伴いました。
こういう時に何を奪って来るか(そもそも奪いに行くか)、によって性格や能力が分かるような気がします。