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雪中で筍堀り?しかも裸足で?この浮世絵に隠された親子の愛情ストーリー

雪中で筍堀り?しかも裸足で?この浮世絵に隠された親子の愛情ストーリー:2ページ目

孝行息子

 

孟宗を支え続けてきた母が病気になり床に臥せっていました。あるときポツリと『筍が食べたい』とつぶやきました。

孟宗は急いで竹林に出向きましたが、時は冬です。筍などあるはずもありません。しかし孟宗は天に祈りながら涙を流し雪をかき分け掘っていると、突然あたり一面に筍が生えてきたのです。

上掲の『雪中に筍を掘る女 見立孟宗』は江戸の浮世絵師・鈴木春信がこの話を「孟宗」を若い女性に見立てて描いたものです。

他にも「孟宗」を描いた浮世絵があります。

上掲の絵は浮世絵師・歌川国芳が描いた“孟宗”です。冷たい風が吹く雪の中を、鍬を持って筍を探しに行く姿を描いています。

孟宗の親孝行の話は『二十四孝』という中国において後世の模範として“孝行が特に優れた人物24人の話”を記した書籍の中の一人となりました。

そしてこの『二十四孝』は日本にも伝来し、仏閣等に彫刻として刻まれたり人物図などに描かれ、寺子屋の教材にも使われるようになったのです。

そしてこの逸話から孟宗竹(もうそうちく)と名付けられた竹が生まれました。この孟宗竹の筍は現在でも春には広く食され、人々に春の訪れを告げています。

西暦500年にも満たない時代にあった孟宗竹の筍を、今も変わらず食べているとは不思議で貴重なことのように思います。

 

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