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武士は刀のごとくあれ!武士道のバイブル『葉隠』が説く自制心と勇気の教え

武士は刀のごとくあれ!武士道のバイブル『葉隠』が説く自制心と勇気の教え:2ページ目

武士が刀を帯びているのは、敵を斬るため、殺すため……とは言っても、日ごろからメンテナンスをしていなければ、ここ一番で相手を斬れず、不覚をとってしまいます。

だからしっかり研いで刃をつけておくのですが、よく研げたからと言って抜き身のまま持っていては物騒なことこの上ないし、差した時に自分自身を傷つけてしまうでしょう。

その一方で、誰も傷つけたくないから、と刀をずっと鞘に納めっぱなしで放置していると、次第に錆びついて使い物にならず、人から侮られてしまいます。

とかく意地というものはここ一番で張るものであり、いつも我を通しているヤツは仲間が出来ず、いつも遠慮ばかりしているヤツは腰巾着にされてしまい、いずれにしても武士の奉公は成りがたいものです。

理想的な意地≒刀の在り方とは「いつでも抜けるように万全の備えをしておきながら、ここ一番でしか抜かない」ものであり、抜く/抜かないのメリハリと、いざ抜いた時の威力こそ、武士の真価と言えるでしょう。

やがて武士の世は維新の彼方へ遠く過ぎ去り、刀を抜くこともなくなった現代ですが、むやみに意地を張らない自制心と、ここ一番で意地を見せる勇気は受け継いでいきたいものですね。

※参考文献:
菅野覚明『武士道の逆襲』講談社現代新書、2004年10月
古川哲史ら校訂『葉隠 上』岩波文庫、2011年1月

 

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