屋根より高い鯉のぼり♪…が空を飛んでいる理由は中国の伝説にあった?
5月5日「端午(たんご)の節句」では、男の子の成長を願って鯉のぼりが家々に揚げられます。
青空いっぱいに元気よく泳いでいる鯉のぼりは初夏の風物詩としてほのぼのするものですが、どうして本来は空を飛ばないはずの鯉が幟(のぼり)のデザインに選ばれたのでしょうか。
そんな疑問を解消すべく今回調べてみたので、紹介したいと思います。
古代中国の伝承・鯉の滝登り
昔々、中国大陸に夏王朝(か。BC1900年ごろ~BC1600年ごろ)が栄えていたとされる時代。
君主の禹(う)が黄河の氾濫を制御する治水事業に乗り出した時、龍門山を切り開いて河の流れを変えたところ、大きな瀑布(ばくふ。白い布をさらしたように水勢の激しい滝)が出現。龍門と呼ばれるようになりました。
その勢いたるや凄まじいもので、やがてその近くに棲みついた鯉たちの間では、こんな噂が流れ始めます。
「この滝を泳いで遡り、登り切った者は龍になれる」
んなバカな……と、多くの鯉たちは信じませんでしたが、中には物好きや目立ちたがり屋が「いっちょ龍になってみるか!」と滝登りに挑んだものの、激しい流れに押し戻され、跳ね飛ばされて怪我をする者、命を落とす者が続出したそうです。
「だから止めておけって言ったのに……そもそも、龍になれたら確かに凄いけど、龍になって何がしたいんだ?」
無謀な挑戦を続ける若者たちを冷ややかに見守る年寄りたち。そこへ、また新たな一匹の若い鯉がやって来ました。
「お前さんもかい……悪い事は言わないから止めておk……うわぁっ!」
年寄りたちが止めるのも聞かず、その若い鯉は一気呵成に滝登りを果たしたかと思ったら、その勢いで滝の頂上から空まで泳ぎ上り、龍の姿になって飛んでいったそうです。
めでたしめでたし。
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