日本最古、世界で二番目に古い紙幣は伊勢が発祥だった?その紙幣の名は「山田羽書」:3ページ目
実は日本でも、山田羽書の登場以前、建武元年(1334年)に後醍醐天皇が紙幣を発行したと『太平記』に記されています。しかし、内政不安で朝廷の信用が低かったためか流通せず、現存もしていません。幻の紙幣は「楮幣(ちょへい)」と呼び、和紙の原材料でもある植物のコウゾから出来た物だったようです。その後失脚してしまう後醍醐天皇、目の付け所はよかったのかもしれません。
山田三方の管理下で発行されていた羽書は、17世紀になると江戸幕府の役職の一つ、山田奉行の管理下に置かれます。後に幕府により藩札が廃止されても山田羽書だけは許可されていたというから、いかに信用が高かったのかがわかりますね。
ちなみになぜ「羽書」と表記するのかは不明のようです。貨幣に比べて羽のように軽いからでしょうか・・・?
お財布に入っていると、字のごとく飛ぶように使ってしまいそう!?
参考:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版、伊勢河崎商人館