九郎助稲荷(綾瀬はるか)の実際の場所、蔦重の出自、桶伏の刑など…「大河べらぼう」初回放送振り返り:4ページ目
腰が辛そう!蔦屋重三郎が受けていた桶伏の刑とは
田沼意次に諭され、がっくり帰ってきた蔦重を待ち構えていたのは駿河屋たちの私刑でした。
フルボッコにされた挙げ句、風呂桶をかぶせられて三日三晩閉じ込められます。
これは桶伏(おけぶせ)と言い、揚げ代(遊郭の料金)を払えない客などに行われました。
他にも馴染みの遊女がいるにもかかわらず、浮気した客にも科されたそうです。
※吉原って、お金さえ出せば何でも好きに出来る訳ではありませんでした。客と遊女は擬似的な婚姻関係が演じられるのですが、詳細は割愛します。
さて。もしあなたが運悪く桶伏の刑に処されたら、どんな生活を送ることになるのか想定してみましょう。
飲食料は最低限、餓死しない程度に与えられます。死なれても迷惑ですからね。
冷暖房?ある訳ありません。なんせ罰ですから。
トイレ?中でして下さい。匂い?知ったこっちゃありません。なんせ罰ですから。
風呂?ある訳ないでしょう。全身にノミやシラミがたかろうが以下同文。
立ち上がれるほどの天井高さがないので、地べたに座るか寝そべるかのどっちかしかできません。
布団?そんなのあるわけ以下同文です。手足をのばして眠れるなんて思わないで下さい。
また用足しには地面の傾斜に注意した方がいいでしょう。不用意に上からしてしまうと、下まで濡れることになります。
夏なんかはハエやら何やら湧きたかって、地獄絵図(暗くてよく見えないと思いますが)が繰り広げられることでしょう。
こんな暮らしがいつまで続くかと言えば、揚げ代を払うか当局の気が済むまでです。
払えるあてがあるなら、早く払ってしまう(そもそもちゃんとお金を持って遊びに行く)ことをお勧めします。
伴頭が 来て桶伏の のびをさせ
こんな川柳があるそうで、ようやく解放されて身体をのばす気持ちよさが詠まれました。
第2回放送「吉原細見『嗚呼御江戸』」
読みは「よしわらさいけん・あぁおえど」。
吉原細見とは、吉原で遊ぶ時のガイドブック。現代で言うところの風俗情報誌ですね。
蔦重はこれに目をつけ、宣伝広報によって吉原に客を呼び込もうとするのでした。
でも、どうやって?そこに蔦重の創意工夫が働くのです。
夢を叶えるため東奔西走、蔦重が出版界に飛び込み、開花していくプロセスがイキイキと描かれることでしょう。
合戦なんかなくたって、誰でも天下に志を立てて、誰かのため魅力的な人生を駆け抜けることができる。
蔦屋重三郎の生涯から、そんな意志と勇気を感じられる一年になったら嬉しいです。
どうか今後とも、ご贔屓に願います!