九郎助稲荷(綾瀬はるか)の実際の場所、蔦重の出自、桶伏の刑など…「大河べらぼう」初回放送振り返り:2ページ目
語りの九郎助稲荷(綾瀬はるか)
冒頭「明和九年の大火」で、蔦重がお社を担いで逃げていた九郎助稲荷(くろすけいなり)。人の姿でも影が狐と芸が細かくていいですね。
※狐を御歯黒溝(おはぐろどぶ)に沈めたのなら、お社も(石でも載せて)沈めれば楽だったろうに……と思いました。
その後、本作の語り部として登場し、何と説明のためにスマホまで取り出します。時代考証としては完全アウトでしょうが、神様だから許して下さい。
経路検索のアイコンが徒歩や駕籠(かご)、馬になっているなど、凝っていましたね。
この九郎助稲荷、かつて千葉九郎助という者が天から降臨した狐を祀った「田畔稲荷(たのあぜいなり)」が始まりと言われます。
吉原の大門から入って一番左奥に鎮座しており、これからも物語の各所で解説を入れてくれることでしょう。
女性たちの怖い?化粧
戦のない泰平の世に慣れ、庶民たちも化粧が身近となった江戸時代。
結構なことと思いきや、女性たちの化粧は、現代からするとなかなか異様なものでした。
結婚した女性は眉毛を剃り落とし、鉄漿(おはぐろ)で歯を黒く染めます。
黒は何色にも染まらないことから貞節の象徴とされ、また大口を開けて話したり笑ったり(はしたない事を)しない戒めともなりました。
合わせて眉毛を剃ることで顔が怖くなり、間男防止の効果もあったでしょうか。
ちなみに未婚のまま年齢を重ねた女性も、体裁が悪いため眉毛を剃ったり歯を染めたりしたそうです。
こうした化粧は自身の面相がかなり変わってしまうため、女性たち自身も少なからず抵抗のあるものでした。
だから中には眉を描く女性もいたそうです。
おしそうに むすめひたいを 二ッなで
※『誹風柳多留』
【意訳】眉毛を剃り落とすのが嫌で、娘が額の二箇所を撫でる。
恥かしさ ぐわらり(がらり)と相(そう)がかハる(変わる)也
※『初代川柳選句集』
【意訳】化粧でがらりと面相が変わってしまうため、恥ずかしくてしょうがない。
演じている女優さんがたも、なかなか大変なことと思います。