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「ハレ」と「ケ」の語源や違いとは?日本古来からつづく「日常」と「非日常」という観念

「ハレ」と「ケ」の語源や違いとは?日本古来からつづく「日常」と「非日常」という観念

「ハレ」とは、特別な日を指します。

たとえば、お正月やお祭り、結婚式や卒業式など、普段とは違う特別な行事の日のことです。こういう日は、お餅や赤飯といった特別な食べ物を用意したり、お酒を飲んでお祝いしたり、晴れ着という特別な服を着たりします。

普段の生活から離れて、特別な気分を味わう日が「ハレ」なのです。

もともと「ハレ」という言葉は、「晴れ」という言葉から来ています。「晴れの舞台」や「晴れ着」など、今でも私たちが使う言葉にもその名残があります。特に「晴れの舞台」とは、一生に一度のような大事な場面を指し、「晴れ着」は特別な儀式やイベントのための衣装を意味します。

これに対して、普段の服を「ケ着」と呼ぶこともありましたが、この言葉は明治時代以降には使われなくなりました。また、江戸時代の記録では、長い雨の後に晴れ間が出たような特別な日を「晴れ」と記している例もあると言われています。

「ハレ」の日には、餅や赤飯、尾頭付きの魚、お酒などが飲食されました。当時の庶民にとって、こうした食べ物は普段の生活では食べられない贅沢なものでした。

普段の食事は、雑穀や漬物といった質素なものでしたから、これらの特別な食べ物が「ハレ」の象徴だったのです。また、使う器も日常とは違い、「ハレ」の日専用の特別なものが使われました。

2ページ目 「ケ」とは普段の生活そのもの

 

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