いまだ作者不詳の名作『平家物語』、実は吉田兼好が『徒然草』に正体を書いていた!?その人物とは?:2ページ目
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答えは『徒然草』にあり!?
さてそれで、肝心のその原作者ですが、これについては過去に何人もの名が挙げられてきました。
その最古のものは、鎌倉時代末期に吉田兼好が唱えた「信濃前司行長」説です。
吉田兼好といえばかの『徒然草』の作者ですが、彼はその中で、学問があり才能に恵まれながら、不幸にも失意の人となった下級貴族の行長が、天台宗の座主・慈円に保護されながら『平家物語』を執筆したと書いています。そして、東国生まれの生仏という盲人に語らせたというのです。
ただ、兼好のいうこの信濃前司行長という人物が誰なのかは特定されていません。
摂関家である九条家の家司を務めていた藤原行長とも考えられていますが、この説も推測の域を出ず、結局『平家物語』の原型となるストーリーを誰が考えたかは分からないままです。
参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
画像:photoAC,Wikipedia
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