口は禍の元!あの知謀家・黒田官兵衛が豊臣秀吉にやらかしてしまった唯一の失敗:2ページ目
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官兵衛は、主君の死を悲しみ号泣する秀吉に、「これでご運が開けますぞ」と声をかけました。ところが、この言葉は場違いでした。
「もし官兵衛が勢力を上げればきっと天下を狙うことだろう…」と秀吉は官兵衛の知謀を恐れるようになったのです。
主君を励ますつもりで発した言葉が、図らずも、却って主君を警戒させ、自身の信頼をも、一気に失墜させる結果とってしまいました。彼はその後、いくら功績を立てても評価されず、秀吉から与えられたのはたった3万石だったと言われています。
そんな官兵衛ですが、その死に臨んで、
「おもひおく 言の葉なくて つひにいく みちはまよわじ なるにまかせて」
(この世に残しておくような言葉はもうない。今はあの世への道も迷うことなく、心静かに旅立つだけである)
という「辞世の句」を残しています。
あまりのその潔さに、読んでいるこちらでさえ、惚れ惚れしてしまいますね。
今回の官兵衛のエピソードは改めて、後世の我々にも「口は禍の元」という教訓を残してくれますが、同時に、彼の潔い生き方に、多くの共感を得ます。
参考
- 山本博文『黒田官兵衛』(新潮社、2014年)
- 山本博文『戦国の名将 黒田官兵衛』(PHP研究所、2015年)
- 「軍師官兵衛」公式ウェブサイト
- ‶黒田官兵衛とはどんな人?年表で簡単に解説!性格は?功績は?死因は?” Histonary
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