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明治時代、敗れた旧幕臣たちはどう「転職」した?実は新政府は彼らの統治ノウハウを有効活用していた

明治時代、敗れた旧幕臣たちはどう「転職」した?実は新政府は彼らの統治ノウハウを有効活用していた:2ページ目

活躍し続けた旧幕府関係者たち

元々徳川幕府は、幕末の激動期に対処するべく優秀な人材を囲い込み、責任ある地位に置いていました。

また、徳川家は移封された静岡でも教育に力を入れ、人材育成にも熱心だったのです。この人材を使って幕府の支配機構を受け継いだことで、新政府は全国統治の術を学ぶことができたのでした。

では、旧幕臣で明治時代になっても活躍した人たちの中には、どのような人がいたのでしょうか。

まず、薩長が政治の要職に就くなかでも、能力を買われて高官として出仕した代表例が榎本武揚です。

榎本は箱館戦争を主導して新政府に抵抗し続けた過去がありましたが、終戦後は北海道の開拓使として仕官しました。

その後、蝦夷地開拓や対露交渉で功績を残し、海軍中将にも就任。明治18年(1885)12月に発足した第一次伊藤博文内閣では初の逓信大臣に登用され、その後も幾多の大臣職を歴任しています。

その他、「日本資本主義の父」 こと渋沢栄一も元は慶喜の側近ですし、勝海舟も外務大丞(省のナンバー4)や元老院議官などの役職を歴任しています。

このあたりは有名どころなので、日本史に詳しくない人でも、名前とその活躍ぶりは聞いたことがあるでしょう。

3ページ目 ジャーナリスト、そして徳川慶喜

 

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