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戦に怖気づいた彰義隊…新政府軍が主導権を握り支配を盤石にした重要な戦い「上野戦争」【後編】

戦に怖気づいた彰義隊…新政府軍が主導権を握り支配を盤石にした重要な戦い「上野戦争」【後編】:2ページ目

大村益次郎の目論見

これでは、実際の戦闘に堪えられるはずがありません。実際、新政府軍からの攻撃が迫ってくると脱走者が相次ぎ、いざ激突となった時点では、もともとの兵力の三分の一である千人程度に減っていました。

また、残って戦に身を投じた残り千人も、大砲の音でビビッて逃げ出します。

この時、新政府軍を指揮していたのが大村益次郎でした。彼は、彰義隊からの逃亡者が逃げる道をわざと用意しておき、そこに誘い込むという戦術を採っています。

もちろん、その先には兵が配備されており、彰義隊からの逃亡者は次々に捕まり、あるいは殺されました。

つまり、彰義隊の敗因は、そもそも軍隊としての体をなしていなかった点にありました。彼らは本当の戦闘に至ったところで、よりにもよって怖気づいてしまったのです。

大村益次郎という人は天才軍師と言ってもよく、彼の計算した通り上野戦争は一日もかからずに決着がつきました。犠牲者数は新政府軍がおよそ百人、彰義隊はおよそ二百人だったといいます。

この戦闘によって上野は火の海となり、焼け野原になったところも多くありました。あっさり決着がついたとはいえ、非常に激しい戦闘だったのです。

3ページ目 上野戦争を経て江戸の町を掌握

 

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