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奈良・明日香村にある謎の石造物!その名も「マラ石」とは?正体不明の陽石のことを考えた

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様々な説があるものの正体は不明

この「マラ石」の正体は一体何なのでしょうか。長さは地中から露出している部分が約1m。約30度の角度で、斜めに傾くように伸びています。地中にどのくらいの長さの石が埋まっているのかは不明です。

ただ、石の傍らに建つ説明板には、「本来は真っすぐに立っていた」とも書かれています。言い伝えによると、斜めに傾いてからは、倒れそうになるたびに里人が手助けをして、この角度にとどまっているとも。

そして説明版には、「対岸の丘陵をフグリ山と呼びマラ石と一対のものと考える説もある」とも記されています。フグリ山のフグリは、もちろん陰嚢(いんのう)のことです。となると、飛鳥川を挟んで、陰茎と陰嚢が向かい合っている。なんとも不可解な位置関係ではないでしょうか。

また、フグリ山を明日香の神奈備山である「ミハ山」に見立て、その山中にある磐座を陰石とし、そのセットに「マラ石」をあてる説もあります。神奈備とは「神のいます辺」という意味で神聖な場所です。磐座は神が降り立つ巨石ですので、神聖であるに違いません。しかし、現地でその磐座を見る限り、やはり陰石と見なすのは無理があるようです。

一般社団法人 飛鳥観光協会のHPには「石棒状の立石の一種と考えられていますが、古代の子孫繁栄や農耕信仰の対象なのか、坂田寺の境界なのか謎の石造物です。」と記されています。坂田寺は、飛鳥大仏を造った鞍作鳥が造営に関わった鞍作の氏寺ですが、わざわざ陽石を境界を示す石にするものでしょうか。この辺りも判然としません。

3ページ目 災厄・疫病を封じる結界に立つ石

 

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